『啓蒙思想』がフランス革命に与えた影響とはどの程度だったのか?

世界史A 夏休みレポート課題

テーマ:

「『啓蒙思想』がフランス革命に与えた影響とはどの程度だったのか?」

提出日:2018年9月7日

1年〇組〇番 〇〇〇〇

現在のフランスは有名な観光地である。様々な世界遺産に美味な料理、綺麗な夜景などたくさんの魅力がある。そんなフランスも今から220年ほど前、広場で大勢の人が処刑されていた。その処刑が行われた理由とはフランス革命だ。18 世紀後半に起きたフランス革命には大きく分けて3つの原因がある。その原因とはアンシャン・レジーム(旧制度)の危機、経済危機、啓蒙思想の3つだ。この3つのことを少し調べてみた。アンシャン・レジームとはフランス革命以前の社会・政治体制の主に身分制度のことを指す。そして、この身分制度の最下層である市民階級に対する重税が聖職者や貴族への不満を起こし、フランス革命へ繋がったと考えられている。経済危機は、ルイ14世や15世が残した負債や、ルイ16世のアメリカ独立戦争への援助により起きた。この厳しい経済状況に加え当時は小麦の不作に見舞われ、その市民の怒りがフランス革命へ導いたとされている。啓蒙思想とはモンテスキューやルソーといった思想家たちがアンシャン・レジームに対する批判し、その主張が市民に受け入れられてフランス革命の精神になったと言われている。この3つのことを調べたあと、私はふと疑問に思った。重税や経済不調が革命の原因となったのはとても納得した。この2つの原因は直接生活に関わってくることであるからだ。しかし、思想が革命の原因となったということに納得することができなかった。思想が帝国をひっくり返す力を持っているはずはないと思っていたからだ。しかし実際は帝国がひっくり返ってしまった。そこで私は啓蒙思想には国さえ変えてしまう考え方があるのかもしれないと思い、調べてみることにした。

結論から先に言いたいと思う。私が調べた結果、啓蒙思想がフランス革命に与えた影響は絶大であったと考える。その絶大さは経済危機やアンシャン・レジームの危機さえも上回るといっても過言ではないほどだ。啓蒙思想がなければフランス革命は起きず、今もルイ20何世がフランスを納めていたかもしれない。私がそう思った理由をこれから説明していきたいと思う。

まず啓蒙思想の意味から説明していく。啓蒙の「啓」には未知のものを明らかにするという意味があり、「蒙」には無知という意味がある。つまり啓蒙とは無知を明らかにし、有知にするという意味だ。フランス革命以前の市民は権力者や裕福な者たちが教会とともに、支配し抑圧する封建制の中で暮らしていた。支配されていた市民は重税などにより大抵の人々が非常に貧しい厳しい暮らしを送っていた。しかし教会を信じる市民は何一つ権力者に反論することはできなかったのだ。権力者のいうことは教会が正当化し、市民が反論することは許されないと信じさせられてきたからである。それは人々が盲目的に封建制に従っていたことになる。フランス革命での無知とはその盲目的に従っている人々を指している。そのような無知の人々に「世界」や「社会」などの理性的な考え、つまり啓蒙思想の知識を与えることで無知から解放するというのが啓蒙思想の意味があった。

では啓蒙思想の知識とはなんだろうか。18世紀には世界各国で啓蒙思想を主張する人々がいた。その中でもフランスには啓蒙思想家の数が他の国と比べて多く、啓蒙思想の中心地と呼ばれていた。フランス革命時の主な啓蒙思想家は、 モンテスキュー、ヴォルテール、ルソー、ディドロ、ケネーなどがいた。この他の啓蒙思想家はいたが、今回はこの中からモンテスキュー、ディドロ、ルソーの3人に絞って説明をしていく。

まずはモンテスキューだ。モンテスキューは彼が1748年に著作した「法の精神」の中で「三権分立論」を説いた。現代となっては当たり前の三権分立。しかし、フランス革命以前では当たり前ではなかった。当時は絶対王政で国王が全権を握っており、法律を決めるにも人を裁くのもたった一人が行っていた。モンテスキューはこのような絶対王政を反論するため、「法の精神」で「すべて権力をもつ者はそれを濫用しがちである。権力の濫用をなしえぬようにするためには、権力が権力を抑制するよう事物を按配することが必要である」と述べている。モンテスキューは権力が権力を抑制する仕組みとして、「立法権」「行政権」「司法権権」の3つの権利をそれぞれ別の機関に分担させることを説いた。この三権分立が実際に施行されるようになったのは、フランス革命中の1791年憲法だった。この憲法では立法権は国民議会に、行政権は国王にそして、司法権は国民が選んだ裁判官に分担させた。この法律により、国王の権力の濫用を抑制を目指したのだ。今日の日本でも国家権力は3つに分かれている。立法権を要する国会、行政権を要する内閣そして司法権を要する裁判所の3つだ。日本で三権分立になったのは1868年明治元年だ。これはモンテスキューが「三権分立」を解いてから約1世紀後のことだ。明治時代初期の日本はヨーロッパ諸国より1世紀も文明が遅れていたことがこのことからわかるだろう。

続いて、ルソーだ。

次にディドロについてだ。彼は「百科全書」をダランベールの協力のもと著作した中心人物として有名だ。この「百科全書」とはフランス革命の理性を象徴するものだ。フランス革命前、市民の考え方は信仰からきており、教会の信仰により市民を盲目にしていた。フランス革命が始まる直前に盲目な市民がいきなり、パッと理性的な考え方へ切り替えるとこはなかったのだ。実際は徐々に理性的な考え方を市民へと教えていった。「百科全書」とは、その信仰に抵抗しやっとの思いで作られ、理性を象徴するものへとなった。「百科全書」には、この世にある政治、哲学、芸術、数学、ありとあらゆる知識をまとめようとしたものだった。それは人々の英知を集めて作り上げた知識の宝庫と呼べるものだった。この「百科全書」は全17巻から成り、総勢184人もの知識人が20年以上かけ作り上げ、後の思想家にも大きな影響を与えることになったのだ。この超大作を最後まで教会の妨害から避けながら作り上げたディルドはフランス革命に欠けてはならない存在だったであろう。

この「百科全書」の影響を受けた一人にルソーがいる。彼は「学問芸術論」「人間不平等起源論」「社会契約論」「エミール」などの有名な著作を残している。彼が「学問芸術論」「人間不平等起源論」で主張したことは文明の発展により人々が腐敗していくというものであった。文明が発展していない、エジプト文明より前の原始の人々は、自由でしかも平等であった。しかし、人々が社会を形成し、そこに文明や学問、芸術が栄えると富の不平等が生まれることになり、人を支配する権力者と支配される奴隷のように差が生まれ、戦争のような悲劇が生まれてしまった。このようになってしまうと人々が本来保有していたはずの自由と平等がおびやかされて、人々は堕落してしまった。堕落から回復するために人々は文明ができる前の、平等で自由そして平和な自然状態に戻らなければならなかった。ルソーはそこで「自然に帰れ」と書いたとされているが、実際に人々は文明をなくすことなど不可能だと馬鹿にして書いた表現だとも言われている。そして「社会契約論」では、人々が文明を獲得する前まで持っていた「権利」を保有しながら互いに力を合わせ生きて生きて行かなければいけないといけないと説いたものだった。

さて、以上3つが啓蒙思想の内容となる。なぜ、啓蒙思想がフランス革命に与えた影響が絶大であったのだろうか。フランス革命以前の人々にも権力者による抑圧に対し、不満は持っていたのである。しかし、キリスト教徒であるフランス人にとって、教会は絶対であった。そんな教会は権力者の権力は神に与えられたものなら逆らえない、逆らったら罰が当たると正当化していた。そのため不満があっても従うしかなかったのだ。そこで啓蒙思想が人々の間で広まった。その啓蒙思想の内容とは「市民一人一人も公平に生きる権利や幸せを求めることができる。一人一人の尊厳を守ることが大切であり、権力者に従う必要はない」と提案したことから、間違った政治をしている権力者にも逆らっていいのだと考えるようになった。その考えがあったからこそ人々はフランス革命を起こすことができたのだ。フランス革命の長い戦いの後、市民は平等を手にするのだがそれは全て啓蒙思想で述べられていた本来の社会、世界の姿なのだ。そんな本来の姿が現在まで引き継がれ、今となってはモンテスキューの説いていた三権分立は当たり前のものとなった。世界の国々のほとんどは3つの権利を別々に保有する機関が平等に権利を使っている。そしてルソーの説いた、人々が全て同じ権利を保有することも当たり前となって来ている。人には基本的人権が与えられ、どんな人でも平等で自然的な権利を獲得している。このような現代の当たり前の大前提をフランス革命で市民が権力者から勝ち取ったのだ。啓蒙思想をより読み解くことで、過去の偉人が何を望んで今の我々の世界を築き上げていったのかを知ることができるのだと私は思う。啓蒙思想、それは我々現代の人間が理解し、未来へと繋げるべき人類の手紙であろう。

引用・参考文献等

(フランス革命大解剖2018.8.20)

http://www5a.biglobe.ne.jp/~french/indexx.html

(フランス革命とナポレオン2018.8.21)

http://www.sqr.or.jp/usr/akito-y/kindai/52-france1.html

(フランス革命2018.8.21)

https://ja.wikipedia.org/wiki/フランス革命

(アンシャンレジーム2018.8.21)

https://ja.wikipedia.org/wiki/アンシャン・レジーム

(5分でわかるフランス革命!流れや原因をわかりやすく解説!2018.8.21)

https://honcierge.jp/articles/shelf_story/4564

(啓蒙思想2018.8.21)

https://ja.wikipedia.org/wiki/啓蒙思想

(啓蒙思想家たちが考えたこと【倫理の偉人たち】2018.8.22)

https://www.juku.st/info/entry/1267

(18世紀のフランス社会・思想とルソー 2018.8.22)

http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Library/6752/Rousseau-j.html

(世界史の窓 ディドロ 2018.8.23)

https://www.y-history.net/appendix/wh1003-037.html

(ルソーってどんな人? 2018.8.23)

https://hitotoshisou.jp/tag/フランス革命/

(百科全書 2018.8.23)

https://ja.wikipedia.org/wiki/百科全書

(フランス革命の原因の一つとしての啓蒙思想 2018.8.23)

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1441066349

(啓蒙主義とフランス革命--迷信からの解放から理性崇拝へ 2018.8.23)

https://ameblo.jp/caelnouta/entry-12309600281.html

(社会契約論:ルソーの政治思想 2018.8.26)

https://philosophy.hix05.com/Rousseau/rousseau03.contrat.html

(ルソー『社会契約論』を箇条書きで要約する 2018.8.26)

https://www.philosophyguides.org/compact/rousseau-contrat-social-in-itemized-form/

(ロックとかルソーとか、結局何を言った人 2018.8.26)

http://www.uraken.net/rekishi/reki-eu42.html

(ルソーは「自然に帰れ!」と主張した!?読まないで語られるルソーの書 2018.9.3)

https://blog.goo.ne.jp/shirakabatakesen/e/94f63b23d59c2fdb43e04510852b5f87

(ルソー『社会契約論』を解読する 2018.9.3)

https://www.philosophyguides.org/decoding/decoding-of-rousseau-contrat-social/

(フランス革命の原因の一つとしての啓蒙思想 2018.9.3)

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1441066349

(革命の原因 2018.9.3)

http://www5a.biglobe.ne.jp/~french/history/01-4.html#top

(世界史の窓 啓蒙思想 2018.9.3)

https://www.y-history.net/appendix/wh1003-031.html

(啓蒙思想って簡単に言うとどんな思想なんですか 2018.9.3)

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1435883984

(啓蒙思想 2018.9.3)

https://kotobank.jp/word/啓蒙思想-59166

(モンテスキューと三権分立の考え方 2018.9.3)

http://text.yarukifinder.com/world-history/820

(ヴォルテール 2018.9.3)

https://ja.wikipedia.org/wiki/ヴォルテール#啓蒙思想の典型として
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コメント

  1. sevenbites より:

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  2. 月曜3-4限の存在理由の無い人 より:

    高校時代にルソーの「学問芸術論」の影響を受け、全く勉強しなかった者です。
    さて、質問です。

    1.啓蒙思想といってもヴォルテールとルソーは対極の思想。美術史で例えると、ヴォルテールは新古典主義でルソーはロマン主義。「考えるより先に感じた」ルソーは、闇の世界に理性の光を灯すべきと考えたでしょうか?

    2.イエローベストを見ていると、デモと社会思想に関連があるとは思えません。フランス革命に参加した大衆のうち、啓蒙思想に触れていたのは何割でしょうか?

    3.フランス国王は市民を抑圧していたのではなく、護っていた可能性はありますか?

    4.なぜ国民ではなく、市民による革命なのですか?

    5.共産主義者はフランス革命をブルジョワ革命と呼んでいます。革命を起こした市民は労働者階級から搾取していましたか?

    6.イルミナティーや300人委員会などの陰謀はありましたか?